第59回「シュッツよ、君の名が 死者を死から解き放つ」

いよいよ第8回定期演奏会が近づいてまいりました。演奏会プログラムについてお話していこうと思います。
演奏会詳細はこちら→https://www.salicuskammerchor.com/concert
2020年より継続しております「ハインリヒ・シュッツの音楽」のシリーズもvol.3となりました。今回はシュッツの作曲した葬送にまつわる作品をメインプログラムに、全曲死にまつわる作品を選曲いたしました。
演奏会タイトル「シュッツよ、君の名が 死者を死から解き放つ」はシュッツの同時代の詩人、パウル・フレミングがシュッツを評して遺した言葉ですが、それほどまでにシュッツは死にまつわる作品を多く作曲しました。30年戦争の只中を生きたシュッツは87歳まで生きましたが、その間彼は本当に多くの身近な人物の死を経験しました。シュッツの創作活動と「死」というテーマは分かちがたく結びついているように思います。
サリクスは2019年に終了した「J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズ」においても度々このテーマに取り組んできました。それはバッハのモテットの多くが葬儀や追悼式のために作曲されたと考えられているからで、第2回演奏会では今回メインプログラムといたしました、シュッツの「音楽による葬儀」も演奏いたしました。今回は他に、シュッツによる葬送モテットを3曲、また前半プログラムではシュッツ以前の作曲家による「死」にまつわる作品を選曲しています。
演奏曲目
グレゴリオ聖歌 交唱「主に喜び踊りますように」
Gregorian chant Antiphona “Exsultabunt Domino”
ジョスカン・デ・プレ(1450/55?-1521)「神よ、憐れみたまえ」
Josquin des Prez “Miserere mei, deus”
グレゴリオ聖歌 入祭唱「永遠の憩いを」
Gregorian chant Introitus “Requiem aeternam”
ヒエロニムス・フィンダース(1525/1526頃に活躍)「おお、