サリクス・メンバーの声 第13回
こんにちは!
今回初めて参加させていただきます、テオルボ(リュート)の上田朝子です!!
主宰の櫻井さんに初めて会ったのは、花井哲郎先生の「FF古楽道場」でした。この「道場」では、花井先生のご指導のもと、グレゴリオ聖歌やルネサンスポリフォニーを当時の楽譜を使って歌います。
初対面の櫻井さんは、「ネウマにすっげー詳しくて、いつも花井先生や渡辺研一郎くんと熾烈なネウマバトルを繰り広げている人」という印象でしたが、今もそれは変わりません。
ちょっと怖いお兄さんだと思っていたけど、実は柔和で癒し系、というのが最近わかってきたことです。
そして、私との意外な共通項が、「メタル(音楽)好き」!いつかメタルバンドを一緒に組んでほしいです。
また、個人的に特筆すべきは私服のセンスの良さで、微妙な色使いが私の好みです。この人の心の中はこんな風に彩られているのかな、と思ったりもします。
櫻井さんへのラブコールはこの辺にして、音楽のことについて。
バッハの合唱作品には、ずっと憧れていたのですがリュートが(否、わたくしが…)呼ばれることはあまり多くなく、経験がほぼありませんでした。実際にやってみると、声部のテクスチュアの分厚さや、それまでの時代から比べて複雑化した通奏低音のパートから自分の存在意義を見出すのが難しかったですが、なんとかアンサンブルの役に立つような通奏低音をできたら良いなと頑張っています。
というのも、リュートの通奏低音は、編成やその場の音響や表現したい音によってある程度自分でアレンジして演奏する必要があります。もちろん、通奏「低音」なので、あくまでバスで、アンサンブルのためになるような、きちんと下から支えるような演奏でなくてはなりません。
しかし、普通にバスと和音を弾いているだけでは残念ながら誰にも聴こえなかったり、居る意味が誰にも感じられなくなってしまいます。演奏者には、そこでどう工夫するかが問われます。
…そんな難しさはありますが、バッハの宗教作品のシリアスさや、彼自身の信仰から来る歌詞への深い解釈に触れられたのは、自分にとってはとても貴重な体験で、演奏できて本当に嬉しいです。
シュッツは…テオルボの良さを存分に出せると思います!
リュートの通奏低音は、和音の色やニュアンスをとても出しやすく、それこそが一番のウリと言えるでしょう。特に今回のような曲ではバスが少し先行することが多いので、櫻井さんの指揮や息の吸い方、また楽譜上の理論的なことや、歌詞の逐語的な意味から次に出る音の色やシェイプを予測し、最大限彩ります。音のカラーや歌詞の意味を増幅する責任重大な仕事ですが、わたしはとても好きです。本番まで、あと少し、研究を重ねたいと思っています。
さて、今回の演奏会ではテオルボのソロもあります。
ロベール・ド・ヴィゼーという、フランスのルイ14世の宮廷で活躍したテオルボ、ギター奏者のトンボーを演奏致します。
「トンボー」は、鍵盤楽器のためにも多く書かれ名作の多いジャンルですが、実は「トンボー」を集めたリストを見ると残っている作品の多くはリュート・ソロのために書かれています。
鍵盤楽器で奏でるトンボーも劇的でとても素敵で、私も好きな曲が多いのですが、リュートという楽器は、残された人たちが亡くなった人との楽しかった思い出や辛い死にぎわを思い出し、天国への旅立ちを喜ぶ…そんな、心に寄り添いやすい楽器なのかもしれないとも思っています。
私は、このトンボーを家で一人で弾いていると、弾くたびに、いつも違う箇所で違う感情が沸き起こります。本番で、どんな感情が噴き出すのか、どう感じてどう弾いてしまうのか、まだわかりませんが、皆さまとそれを共有できたら嬉しいです。
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私事ですが、今年2016年9月よりオランダにリュート専攻として留学します。
その前に、初めてのリサイタルを開催します。
リュートで「飾る」&「支える」
日時: 2016年7月9日 (土)
会場: 淀橋教会小原聖堂 (新大久保駅)
13:00-14:00
リュート、テオルボソロリサイタル「飾る」
14:30-16:30
通奏低音リサイタル「支える」
(14:00-14:30 お茶、お菓子など召し上がっていただきます、無料)
チケット代:
飾る 2000円
支える 2500円
(通し券 4000円)
特別ゲスト(「支える」にて助演):
相川郁子(フラウト・トラヴェルソ)
菅沼起一(リコーダー)
大塚照道(リコーダー)
鏑木綾(ソプラノ)
小林恵(ソプラノ)
山下裕賀(メゾ・ソプラノ)
リュート
上田朝子(うえだ あさこ)
桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部ヴァイオリン専攻卒業、同大学研究科作曲専攻修了。同大学カレッジ・ディプロマコース、バロック・ヴァイオリン専攻中退。 これまでにヴァイオリンを小林健次、作曲を石島正博、リュート/テオルボ/バロック・ギターを金子浩、バロック・ヴァイオリンを寺神戸亮、戸田薫の各氏に師事。今年秋よりオランダにリュート専攻として留学予定。古楽アンサンブル「プティ・ヴィオロン」「コントラポント」メンバー。
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【次回公演】
Salicus Kammerchorの次回公演は『第3回定期演奏会』です。
4月22日(土)14:00開演
横浜市栄区民文化センター リリスホール
4月27日(木)19:15
開演台東区生涯活動センター ミレニアムホール
曲目
”Lobe, den Herrn alle Heiden” BWV 230
”Der Geist hilft unser Schwachheit auf” BWV 226
他
詳細はコチラ↓
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【最新動画配信!】
第2回定期演奏会より、Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonisを公開中です!
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