第32回 第3回定期演奏会 各曲について(その1)
第3回定期演奏会曲目解説シリーズ
グレゴリオ聖歌 復活徹夜祭のための詠唱/ピエール・ド・ラリュー/ルードヴィヒ・ゼンフル「諸国よ主をほめ讃えよ」
トマス・タリス/トマス・ルイス・デ・ビクトリア/クラウディオ・モンテヴェルディ「諸国よ主をほめ讃えよ」
ガルス・ドレスラー/ ミヒャエル・プレトリウス/ハインリヒ・シュッツ/ザムエル・シャイト/ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「諸国よ主をほめ讃えよ」
グレゴリオ聖歌 死者のための聖務日課より応唱「私は信じる、贖い主は生きておられると」
その5
ニコラ・ゴンベール「至高のジュピターの子、ミューズよ」
ハインリヒ・シュッツ「それは確かに真なる」
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「御霊は我らの弱きを強め給う」BWV 226
今回から数回に分けて、第3回定期演奏会で演奏する予定の各曲についてお話させていただこうと思います。
第1回目の今回は詩編モテットの中から「グレゴリオ聖歌」、「ピエール・ド・ラリュー」、「ルードヴィヒ・ゼンフル」について解説します。
グレゴリオ聖歌 復活徹夜祭のための詠唱「諸国よ主をほめ讃えよ」

(ザンクト・ガレン359写本より)
詠唱(Tractus)はミサの中で歌われる聖歌ですが、入祭唱(Introitus)や昇階唱(Graduale)など他のミサ固有唱のように毎回のミサで歌われるわけではありません。四旬節の期間などに、同じく固有唱であるアレルヤ唱(Alleluja)に代えて歌われますが、四旬節には毎日というわけではなく、アレルヤではなく昇階唱に代えて歌われることもあります。
典礼の中に明確に指定された位置を持たないという点で、