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サリクス・メンバーの声 第6回

 こんにちは。オルガンの田宮です。  サリクスではチェロやテオルボなどとともに通奏低音というパートを担当します。もしかすると通奏低音やオルガンという楽器に馴染みがない方もいらっしゃるかと思いますので、ごく簡単にご紹介をしようかと思います。  通奏低音は概ねアンサンブルの一番下の声部に置かれ、楽曲の和声の響きを支え、補う役割を担う、バロック時代に特徴的なパートです。サリクスの公演で使用するのは、一般的にはポジティフオルガンと呼ばれている小型のオルガンで、教会やホールなどにあるパイプオルガンと同じ構造を持っています。オルガンは紀元前3世紀にはその原型が発明されている歴史が長い楽器です。13世紀にはすでに教会で聖歌の伴奏などに用いられ、人の声に寄り添うようにして発展をしてきました。

 私は普段ホールなどにある大きなパイプオルガンを弾くことが多く、一人きりで楽器と音楽に向き合う時間が長いので、サリクスのように他の楽器の演奏者や歌い手と一緒に音楽を作るのはとても刺激的で貴重な体験です。今回私が演奏に参加するシュッツやバッハはドイツ語の多彩な響きと、音楽が密接に結びついていて、あらためて言葉と人の声が持っている力の強さを感じます。

 今回の演奏会は「死が照らしだす生の輝き」がテーマで、まだ20代の私には少し荷が重いというのが正直なところです。しかし、今回の演奏会で取り上げられる作品をはじめとして、人の死の契機として作られた作品は本当に名作揃いです。このような優れた作品の演奏を通じてサリクスという合唱団の意欲的な取り組みをお手伝いできることを嬉しく思っています。

 

最後に私が出演する演奏会の紹介をさせてください。

第43回 日本オルガニスト協会 新人演奏会

2016年5月2日(月)18時開演 於 東京芸術劇場 コンサートホール

私はバッハのパッサカリアを演奏する予定です。オルガニストとしてのバッハの横顔をのぞきに来ていただければと思います。

田宮亮 Facebookページ https://www.facebook.com/ryo.tamiya.9

 

オルガン

田宮亮(たみや りょう)

 京都大学法学部、東京藝術大学音楽学部器楽科オルガン専攻卒業。東京藝術大学内にて安宅賞、アカンサス音楽賞受賞。これまでオルガンを木田みな子、大塚直哉、廣江理枝、通奏低音を椎名雄一郎、即興演奏を近藤岳、チェンバロを廣澤麻美の諸氏に師事。

 古楽から現代音楽まで、ソロ、アンサンブルを問わず幅広く活動中。現在、東京藝術大学修士課程に在学。東京藝術大学バッハカンタータクラブ、アンサンブル室町メンバー。宗研合唱団ピアニスト。

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【次回公演】

Salicus Kammerchorの次回公演は『第3回定期演奏会』です。

4月22日(土)14:00開演

横浜市栄区民文化センター リリスホール

4月27日(木)19:15

開演台東区生涯活動センター ミレニアムホール

曲目

”Lobe, den Herrn alle Heiden” BWV 230

”Der Geist hilft unser Schwachheit auf” BWV 226

詳細はコチラ↓

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【最新動画配信!】

第2回定期演奏会より、Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonisを公開中です!

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