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サリクス・メンバーの声 第1回

 サリクス・カンマーコアの第2回定期演奏会、テノールで出演いたします渡辺研一郎です。第1回に引き続き、2回目の出演です。

 主宰の櫻井さんとはヴォーカル・アンサンブル カペラ(音楽監督=花井哲郎氏)などで共演させていただいています。主にグレゴリオ聖歌や中世・ルネサンス期のポリフォニーを一緒に演奏することが多いので、バロック期の音楽を櫻井さんと演奏できる機会を楽しみにしています。

 サリクスが音楽作りの参考として重要視する「古ネウマ」は、僕が大学院で研究対象としたものでした。楽譜上で音の高さを示すことの出来る「譜線」が導入される前の段階の記譜法ということで、「譜線無しネウマ」と呼ばれることもあります。

 譜線無しネウマの用いられた楽譜には例えば、スイスのザンクト・ガレン修道院やアインジーデルン修道院に所蔵されている10世紀頃のグレゴリオ聖歌集がありますが、それらの楽譜に見えるのは、歌詞と、それから、直線・曲線・波線、あるいは点などの記号(ネウマ)で描かれた旋律の動きです。譜線が無く、音高に関する情報が楽譜上に乏しい分、言葉(歌詞)をどのような動きとともに語っていくのか、という点をとてもクリアに伝えているように感じられます。

 メロディーとともにありながら、言葉をいかに語ることが出来るか、というのは歌においてとても重要な要素と感じます。

 今回サリクスでは演奏会に向けて、フランス語・ドイツ語・ラテン語、の3種類の言語を扱います。  それぞれの言語にあって、自分が言葉を語っているのだという意識を常に持ちながら稽古していきたいと思っています。

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テノール

渡辺研一郎(わたなべ けんいちろう)

 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東京藝術大学院音楽研究科修士課程音楽学専攻修了。グレゴリオ聖歌の初期の記譜法である「譜線無しネウマ」の研究論文により修士号(音楽)取得。

 古楽アンサンブル コントラポント、ヴォーカル・アンサンブル カペラの公演に出演。フォンス・フローリス古楽院アシスタント講師。アルベルネユーゲントコール、立教大学グリークラブ OBOG 混声合唱団トリニティコール、 行徳混声合唱団、常任ピアニスト。

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【次回公演】

Salicus Kammerchorの次回公演は『第3回定期演奏会』です。

4月22日(土)14:00開演

横浜市栄区民文化センター リリスホール

4月27日(木)19:15開演

台東区生涯活動センター ミレニアムホール

曲目

”Lobe, den Herrn alle Heiden” BWV 230

”Der Geist hilft unser Schwachheit auf” BWV 226

詳細はコチラ↓

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【最新動画配信!】

第2回定期演奏会より、Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonisを公開中です!

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【主宰の櫻井元希のウェブサイトはコチラ↓】

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