第56回 巨匠たちの系譜
- salicuskammerchor
- 2021年5月3日
- 読了時間: 3分
前回は新シリーズ「ハインリヒ・シュッツの音楽」全体のお話をいたしましたが、今回はそのvol.1「巨匠たちの系譜」のプログラムの選曲コンセプトをお話したいと思います。
前回の記事→第55回 ハインリヒ・シュッツの音楽
前半プログラム
1.グレゴリオ聖歌「キリエ 善きことの泉」ミサ通常唱2番
2.ジャン・ムトン「グロリア」ミサ〈あなたの考えを教えて〉
3.アドリアン・ヴィラールト「クレド」ミサ〈羊飼いたちとともに探し求めよう〉
4.ハインリヒ・シュッツ「キリエ、永遠の父なる神」SWV 420
5.ハインリヒ・シュッツ「神にあらゆる栄光と賛美がありますように」SWV 421
6.ハインリヒ・シュッツ「唯一の神を信じます」SWV 422
シュッツは生涯に2度イタリアで勉強していますが、最初の留学ではジョヴァンニ・ガブリエーリに学びました。前半プログラムはこのジョヴァンニのおじ、アンドレーア・ガブリエーリの師であるアドリアン・ヴィラールト、そしてヴィラールトの師であるジャン・ムトンの作品をとり上げます。

シュッツは1657年に「12の宗教歌集」という曲集を出版していますが、その中にはドイツ語のミサ曲(4.キリエ、5.グロリア、6.クレド)が含まれています。そしてこのうちキリエとグロリアはグレゴリオ聖歌に基づいた旋律を使用しています。
前半プログラムの前半は、シュッツの作品のもととなったグレゴリオ聖歌のキリエ(1.)、続くグロリア(2.)はシュッツの師の叔父の師の師であるムトンのミサから、クレド(3.)は師の叔父の師ヴィラールトのミサから演奏いたします。(関係性がややこしいですが笑、上図をご参照ください)
そして前半プログラムの後半はシュッツのミサ曲を演奏いたします。ラテン語のミサとドイツ語のミサの手触りの違い、またシュッツがムトンやヴィラールトの影響をどのように受けているかを感じていただければ幸いです。
後半プログラム
7.グレゴリオ聖歌 昇階唱「主よ、すべての目があなたを待ち望みます」
8.ニコラ・ゴンベール「主よ、すべての目があなたを待ち望みます」
9.ハインリヒ・シュッツ 「主よ、すべての目はあなたを待ち望みます」SWV 88-90
10.オルランド・ディ・ラッソ「主よ、私の言葉をお聞きください」
11.カルロ・ジェズアルド「主よ、私の言葉をお聞きください」
12.ハインリヒ・シュッツ「主よ、私の言葉をお聞きください」SWV 61-62
13.クレメンス・ノン・パパ「私は眠っていますが、心は目覚めています」
14.クラウディオ・モンテヴェルディ「私は眠っていますが、心は目覚めています」
15.ハインリヒ・シュッツ「私は眠っていますが、心は目覚めています」SWV 63
16.ジョヴァンニ・ガブリエリ「主に向かいて新しき歌を歌え」
17.ヒエロニムス・プレトリウス「主に向かいて新しき歌を歌え」
18.ハインリヒ・シュッツ「主に向かいて新しき歌を歌え」 SWV 81
後半は4つのセクションに分かれています。①Oculi omnium、②Verba mea、③Ego dormio、④Cantate Dominoという4つのテキストに書かれた作品を、シュッツ以前の作品を2つ、そしてシュッツの作品、という流れで演奏いたします。
シュッツと関わりのあった作曲家だけでなく、直接の関わりはなかったであろう作曲家の作品もとりあげています。時系列を追って、同じテキストにつけられた音楽を味わうことで、シュッツへ至るまでの音楽の変遷を感じていただければ幸いです。

櫻井元希
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