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この団体は、東京芸術大学バッハカンタータクラブのメンバーを中心に結成されました。団体のコンセプトは「J.S.バッハをJ.S.バッハたらしめたものは何なのか」ということです。いかにしてこの世界最高の作曲家がその個性的な音楽世界を確立していったのかということを、過去に遡れるだけ遡って味わっていこうと考えています。 そこでSalicus Kammerchorでは、ヨーロッパ・キリスト教音楽の源泉であるグレゴリオ聖歌をとりあげます。それが時代を経ていかにバッハの音楽の中に現れているのかということを、真面目に演奏に取り入れた演奏団体は今までなかったように思われます。これがこの団体の一番のアイデンティティです。
グレゴリオ聖歌がネウマによって初めて記譜された10世紀頃から、バッハの活動した18世紀まで、約800年の隔たりがある中で、どれだけこの試みに意味があるか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。そこで、グレゴリオ聖歌を歌う上で重要となる3つの要素から、それがバッハの音楽の中に生きていると考える根拠を示したいと思います。 3つの要素とは、「歌詞」「旋法」