

第2回 「息の流れをよくしよう」〜呼吸について〜
〜ネウマ的に歌うための発声エッセンス〜第2回です。 前回の「タングトリル」いかがでしたか? 今回は声のもととなる声帯原音を安定して鳴らしていくための「呼吸」についてお話ししていきます。 ・呼吸という運動について 歌を歌うときの呼吸について、世の中でもっとも多く言われていて、主流となっている考え方は「息を吐ききって、お腹を緩めれば息は勝手に入ってくる」というようなものではないでしょうか。 これは確かに正しい部分はあると思いますが、人間の持つポテンシャルを活かしているとは言えないと思います。 それは一体どういうことでしょうか? まずは、呼吸という運動を行う際の身体の動きを「吸気時」「呼気時」の二つに分けて、おおまかに解説していきます。 ・呼吸の際の身体の動きについて ①吸気時に緊張する筋肉 ・横隔膜 ・外肋間筋 横隔膜は胴体の上部にあるドーム型の筋肉で、肋骨の内側でアーチ状に上へ伸びて、胸腔と腹腔の境目となっています。 吸気時には緊張し、ドームの天井が潰れるような感じになり腹部にある内臓を押し下げて、お腹が膨らみます(息がお腹に入るわけではない)。