第6回 歌い手にとっての音律(その1)「ピタゴラス音律」
音律というのは、ブリタニカ国際大百科事典によると「音楽に使用される音高の相対的関係を音響物理的に規定したもの」ということになるのだそうですが、要はオクターブの中にある12の音を、どこにどうやって配置するか、ということです。
まず私たちにとって1番身近な音律である12平均律を考え
第5回 フランドルのポリフォニーからJ. S. バッハへ
今回はフランドルのポリフォニーからJ. S. バッハへのつながりについて考察しようと思います。
ミサ曲ロ短調の中に見られる古様式
バッハがフランドルのポリフォニーから受けた影響は、非常に直接的に、ミサ曲ロ短調BWV232の第2部中のCredo in unum DeumとCon
第4回 グレゴリオ聖歌からポリフォニーへ
今回はグレゴリオ聖歌から、多声音楽(ポリフォニー)へ、西洋音楽がどのように発展していったのかを見ていこうと思います。
音楽史観点から言うならば「単声で歌われていたグレゴリオ聖歌から、自然発生的に平行したり、ドローン(持続低音)を付けたりすることで2声へと発展していった」といっ
第3回 ネウマとは
ネウマという語はギリシャ語ですが、現代の辞書でネウマυενμαをひくと「うなずき」という訳語があてられています。なんだかよくわかりませんね。ニューグローブ世界音楽大事典によると「4世紀の文法家コミニアヌスの弁として「意図の仲介者」すなわち「記号」あるいは「合図」を意味する」とあり
第2回 バッハの作曲した曲種、様式、技法
今回は彼の作品からそのすそ野の広さを見ていこうと思います。
多彩な作曲ジャンル
J. S. バッハが作曲した曲のジャンル実に多岐に渡っており、オペラ以外はほとんど書いてしまったのではないかと思わせる程です。(世俗カンタータの音楽的構造は、レチタティーヴォ、アリア、重唱、合唱等
第1回 バッハはいかにしてバッハとなったか
このブログでは、サリクス・カンマーコアSalicus Kammerchorのやろうとしている音楽について、少しずつお話をさせていただきたいと思います。
第一回目の今回は、まずざっとアウトラインを示して、個々の詳細については次回以降書いていこうと思いますのでそちらも是非ご覧く
プログラムの一部を公開
この団体は、東京芸術大学バッハカンタータクラブのメンバーを中心に結成されました。団体のコンセプトは「J.S.バッハをJ.S.バッハたらしめたものは何なのか」ということです。いかにしてこの世界最高の作曲家がその個性的な音楽世界を確立していったのかということを、過去に遡れるだけ...
音律について
本日は3回目の練習でした!曲数を沢山こなしましたが、一曲一曲の音程の取り方についても細かく練習しました。サリクスでは曲によって、ピタゴラス音律、純正調、ヤング第2調律法の3つの音律を用います。 グレゴリオ聖歌はピタゴラス音律、ルネサンスのポリフォニーは純正調、鍵盤を伴うバロ...
デビューコンサートの選曲に関して
Singet dem Herrn ein (altes und) neues Lied! グレゴリオ聖歌が映し出す新たなバッハ像 Salicus Kammerchorデビューコンサートの選曲についてその趣旨をお話しさせて頂きたいと思います。 ...